インテリアデコレーションエクセルシアーの基礎知識
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11することを目標にしている。また現在インテリア関連の仕事に就いている人には、実践的な「表現力」を身につけることの大切さを認識してもらい、今までにない視点からインテリアについて学び、とくに装飾に関わる物の価値や種類にもあらためて知識を深め、さらなるスキルアップに役立つはずである。最上級レベルは、1級の資格取得・登録後、一定の期間以上の実務経験を経た後、インテリアデコレーション エクセルシアーの職能をよく理解し、感性・品格・適正・能力をバランスよく兼ね備えていると協会が判断のうえ実務内容が一定の基準を満たしている者に対して、資格の最上級の称号を与えるものである。(EXレベル)「インテリアデコレーション エクセルシアー」とは、JIDAが認定する日本独自のインテリアデコレーター資格の称号だが、その1級以上の資格定義は、「我が国独自の文化や生活様式、文化の素晴らしさを継承し、室内におけるインテリアの総合的な選択または助言および装飾・演出を行う者」とする。我が国には、さまざまな暮らしの歴史があり、独自の文化が存在するため、これを切り離して語ることはできない。そのため、欧米の文化や装飾についてだけ学ぶのではなく、身近な「和」を大切にし重んじながら時代に合った自分のライフスタイルを創る暮らしの専門家こそ、日本独自の誇れるインテリアデコレーターと言えるだろう。インテリアデコレーションエクセルシアーとなり、自分の暮らしに関わる文化を向上させることは、周囲に自然と受け継がれる「生活の文化」と「美意識」を育てることであり、その価値は時間とともに進化する永続的なものである。?−1で述べたように、インテリアデコレーションは暮らしに寄り添うひとつの「生活の文化」であり、私たちは常にそれを身近に感じて生きている。が、これまでその大切さや重要性について認識されていなかったのである。その理由は、毎日あたり前に過ごす場所であることや、身近過ぎることで、その大切さを改めて考える機会は少ないからである。しかし、それぞれの持っている「暮らし」や「居場所」はその暮らし自体が「独自」のものであり、体に長くなじんでいるからこそ、心から安らげる場所なのである。その中で、空間を構成している多くの物はすべて、「選ばれてそこに来た」のである。そこには、選んだ人の感性や価値観が反映されていて、その一つ一つの集まりが「家」「部屋」「空間」をつくり、その場所にいる人の「生活環境」を構成しているのである。この「生活環境」こそが、個々が持つ生活の価値観や生活文化に大きな影響を与えるのである。しかし、多くの場合こうした「暮らしの背景」は忙しく連続した日常の出来事に紛れてしまい認識されないこともあるが、その半面、断片的な記憶として無意識に刻まれていくのである。私たちは、こうした日常生活に溶け込んだものが、私たちの生活や環境に潜在的に影響し、これに触れる人たちの美意識にも深く影響を与えることを改めて認識するべきなのである。そのうえで、意識的に住まいに関するものへの美意識や知識を高めていくことは、心を豊かにし、その人自身の直接的な財産になるだけではなく、周囲への遺産となりうる大変価値の高い要素である。?─3インテリアデコレーションを学ぶことの価値第?章 インテリアデコレーション エクセルシアーとは

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