インテリアデコレーションエクセルシアーの基礎知識
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224い重要な要素がある。「石」「水の流れ」「高低差」で変化を付けることは、美しい庭づくりのための基礎である。これは日本庭園に限らず西洋庭園にも共通する要素であり、庭づくりの基本でもある。私たちの身近な空間をつくる場合にも、植物だけはなくこの要素を考慮して変化を付けると、より完成度の高いものができるだろう。現代の暮らしのなかに手軽に取り入れることができるポンプ製のつくばいにメダカや水生植物を入れたり、また石をくり抜いたプランター、ガーデンライトやキャンドルなどを取り入れることも外部の意匠と室内空間への影響の観点からも大切な要素である。収納への関心と傾向空間を少しでも美しい状態を保ちながら継続していくには、整理整頓と収納が必須である。また、そこにある“物”を定期的に見直し、処分していくことも習慣づけなくてはならない。一般的に、物を収納するスペースは不足していることが多く、そこに日本の住宅事情も重なり、たくさんの物が空間に溢れ出していることも多い。誰もがその状態にストレスを感じていることは間違いなく、常に状況を改善したいと考えているのである。だが、空間には限りがあり、決められた空間内にある収納の絶対量は限られているが、多くの人々の関心は、そのなかでどう効率よくたくさんの物を収納できるかにある。そのため、収納の達人といわれる人たちからアイディアを得て、実践することへの注目度も高く、雑誌やテレビの特集にもたびたび取り上げられている。しかし、インテリア好きで空間構成が上手とされている人やインテリア関連のプロフェッショナルにとって、美しい空間を実現するために改善すべき収納の問題はそこではない。片付けや分類のヘタな人ほどたくさんの収納をつくりたがる傾向にあり、専門家にとって、その要望どおり収納をつくることだけでは問題が解決しないことを実践で知っているのである。限られた空間を有効利用するためのアイディアや知恵は大切だが、それ以前に、空間の大きさに対して所有物の量が多いことが空間を美しく保てない大きな原因なのである。また、すべての物は見えないところにしまうことが良法であると勘違いされることもあるが、これは少し観点がずれているといわざるを得ない。収納スペースへの意識限られた収納を効率的に活用するためには、家族ひとりひとりのもつ社会的、または趣味的な役割がいくつあるかを考え、意識することが大切である。人にはそれぞれ「役割」があり、それに応じて必要となる道具や衣類などがある。役割が多い人ほど比例して所有物が多くなる傾向がある。それぞれの役割は仕事や趣味に関連し、その内容により所有物の量は千差万別となる。衣類や道具を多く所有する人には専用の収納場所をつくり、ほかの人の物を置かないようにエリアを決め、管理することが大切になる。収納の場所がわかれていたり混在する場合は管理しづらく、似たような物を無駄に買い足してしまうケースも考えられる。本人にとっても自分の領域が見えていることは意識的にも大切な要素なのである。見える収納、見えない収納クローゼットや納戸のように、空間内に仕切られ扉で遮断される収納は「見えない収納」である。内部はハンガーパイプや棚などで構成されているが、多くの人がこの内部に少しでも効率よく物を収納で?─10美しい収納と継続方法

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