インテリアデコレーションエクセルシアーの基礎知識
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194壁や天井を装飾することを総称して「ウォールデコレーション」(以下WD)と呼ぶ。WDは壁紙や塗装などの内装材からアートや小物、雑貨に至るまで幅広いアイテムを使用しながら個人個人の自由な発想によって飾り付けられるものである。壁面はデコレーションの規模に関わらず空間の中でいちばん人の視覚に入る位置にあるため「空間のイメージ」を印象付けることになる。また壁面を一新することで全体の印象を一変させることもできるので、インテリアデコレーション エクセルシアーの技術分野のなかでも重要な役割を担っているといえる。ウォールデコレーションの効果私たちの周りの身近な空間に存在する「白い壁」は、インテリアデコレーション エクセルシアーにとって空間内の「キャンバス」ともいうべきものである。何もない白い壁に自由にデコレーションすることは、同じデコレーションでも平面的な2次元の空間構成から立体的な3次元の空間構成へと変化していく導入部でもある。人は、空間の壁に何らかのデコレーションがされていると、何もない空間から進化している印象を受ける。そして、そのデコレーションされているものによって、空間の所有者(人、会社、組織など)に対し潜在的ながら主観的イメージを抱き、その空間内にその所有者の感覚を感じとるのである。デコレーションは人の印象を左右するほど大切なものなのである。ウォールデコレーションのT.P.O.P.WDにもT.P.O.P.がある。T.P.O.P.とは第?章で述べたインテリアデコレーションの基礎となる4つのキーワード、いつ(TIME)・どこで(PLACE)・どんな目的で(OCATION)・誰に(PEOPLE)であり、エクセルシアーは常にそれを前提に空間をデコレーションしなければならない。ウォールデコレーションの影響T.P.O.P.を無視して趣味的な要素や機能性ばかりを重視してデコレーションされた壁は、その空間を所有している人の感覚までも周囲に印象付けてしまうことがある。貼り付けられたポスターやカレンダーなどがその象徴的なアイテムである。多くの場合、一般的に印象のいいものは、イメージをよりプラスの方向に促す作用がある。あるメディアで素敵なオフィスが紹介されたとする。その空間の写真や映像を見ることで、その会社に対するそれまでのイメージが変化し、印象がアップしたりするなどが、その一例である。このように空間やものに対する印象はデコレーションによって変化する。空間のイメージに影響を与える壁の装飾は、場所に合ったT.P.O.P.と、人がどう感じるか、または人にどう見られたいかでそのポイントは大きく変わるのである。キャンバスとしての壁新たなイメージをつくり出すことは一見難しく思えるかもしれないが、まずは何かひとつのアイテムをきっかけに考えることが、新鮮な発想を生むヒントとなる。たとえば季節に合ったお気に入りの布があるならば、それをタペストリーのように壁に掛けてみるのもひとつのアイディアである。また小さなフレームをいくつか並べてみるなど、気負いのない何気ない発想こそが大切なのである。暮らしを楽しむという発想で自由に行うこと。それがWDの基本である。「もの」の背景実際に壁にデコレーションを行う場合の基礎となるのは「もの」の「背景」である。ここでいう背景とは「壁」そのものを指す。?─6ウォールデコレーションとディスプレー

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