インテリアデコレーションエクセルシアーの基礎知識
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139和食器の特徴和の器や食器として使う道具の材質は、大きくわけて陶磁器、漆器、ガラス、竹、籠、紙、木などがあるが、形も丸、四角、三角、楕円、鉢、片口など、数え切れないほど多くの種類があり、バラエティーに富んでいる。これは世界的にも稀であり、独自性の強いもので、その美しさは、組み合わせによってさらに際立つ。懐石料理などでは、その組み合わせや個々の素晴らしさを存分に堪能できる。和食器の基本単位は「5枚一組」であり、この単位を基準に購入するのが正式であり、一般的である。しかし、最近は核家族化が進み、人数が少ない場合は必要な人数分を揃えることも多い。その場合は洋食器のようにすべて揃えなくても、来客時にあえて形や素材の違う和食器を組み合わせ、食卓を演出できることも和食器の特徴といえる。陶器、磁器、?器(せっき)陶磁器には、陶器、磁器、?器があるが、それぞれの大きな違いは原料となる土の種類と焼き上げるときの焼成温度の差である。磁器は釉薬(ゆうやく)をかけて焼くもので、高温の1300℃程度で焼成する。吸水性がほとんどなく、軽く指でたたくと高温質な音がする。陶器は「土もの」と呼ばれ、1100℃〜1300℃で焼かれたものである。?器とは釉薬をかけずに高温(1200℃〜1300℃程度)で焼き締めたものをいい、土の持ち味をそのまま生かしているのが特徴的である。釉(うわぐすり、ゆう)素焼きした陶磁器の表面に珪酸を主成分とする溶液を塗り、素地に浸透させて焼成すると薄いガラス質の層ができる。その溶液を「釉薬」「釉」という。陶磁器の表面の装飾と吸水性をなくすために施される。日本の六古窯(ろっこよう)日本の陶器や磁器は産地によって分類される。陶器では主に、瀬戸焼、常滑焼、志野焼、織部焼、信楽焼、備前焼、伊賀焼、京焼、萩焼、唐津焼などがある。磁器では久谷焼と有田焼が代表的である。「日本の六古窯」とは、備前、丹波、瀬戸、越前、常滑、信楽を指す。そのほか中国や高麗から入ってきた青磁や白磁のほか、「楽」「萩」「唐津」などがある。茶道の世界では「一楽・二萩・三唐津」などというほど茶碗としての人気が高く、焼きものの代表格でもある。和食器の形と大きさ和食器の大きさは今でも多くの場合、尺貫法で表示され、一寸3.03cmで、十寸が一尺30.3cmである。基本的に器の深さから、「皿」と「鉢」にわけられ、浅くフラットなものが「皿」で、汁も張れるような立ち上がりのあるものを「深皿」と呼ぶ。「皿」に近い浅い鉢のことを「浅鉢」「平鉢」ともいう。それよりも深く口縁の広いものを「盛り鉢」と区別する。さらに深いものを「深鉢」と呼ぶ。「皿」は5寸〜6寸皿を「取り皿」「銘々皿」と呼び、6寸〜8寸皿を「中皿」、それ以上のものを「大皿」「尺皿」と呼ぶ。また5寸以下のものを「小皿」、それより小さいものを「豆皿」「手塩皿」などと呼んでいる。鉢は「中鉢」「大鉢」となるが、一人用は「小鉢」「銘々鉢」と呼ぶ。・5寸 約15cm・6寸 約18cm・7寸 約21cm・8寸 約24cm・9寸 約27cm?─12和の器と暮らしの道具第?章 インテリアデコレーションの基礎

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