インテリアデコレーションエクセルシアーの基礎知識
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84くの人に伝わり、二次的にリピートされることが多いためである。インテリアデコレーションエクセルシアーとして多くの情報を持っていることで、周囲がエクセルシアーそれぞれの個性や技術を評価することにもなる。例えば同じような雰囲気を作るのに、費用をたくさんかけるか、少ない予算で収めるかは、その情報量にかかっているといっても過言ではない。コストパフォーマンスのよさは、多くの人が求めることであり、本音なのである。高くてよいものはもちろんあるが、予算配分の点から必ずといっていいほど予算の「使い分け」が生じる。そのため、少ない予算の中でも「より素敵な空間や演出」ができることこそ、エクセルシアーの得意分野となるべき部分なのである。また、情報はそれを求める人によってさまざまな方向がある。なぜなら、人は自然と個人の興味のあるほうへ関心が深くなっていくからである。その特性を利用して個々が得意分野や好きな分野について多くの情報を蓄積していくことこそ、長い時間の中で自然と積み重なる、それぞれのオリジナリティーといえる要素となのである。インテリアデコレーションは、小さなスペースからはじめられる、暮らしの中で非常に身近なものであるが、その身近なものが人に与える影響力については意外と知られていない。日常の中で誰もが手軽に行い、自分好みの物を何となく組み合わせて飾り、置くことは、暮らしの中でのごく自然な行動であるが、そこには必ず人それぞれの生活の文化や歴史が反映されている。人が関わる空間は環境を育み、その環境は生活の中で次第に大きな割合を占めるようになる。そして、その場所において、個々の暮らしの歴史を刻むのである。しかし、先にも述べたように実際にはデコレーションが人に与える心理効果は知られておらず、また、その心理的効果の影響は必ずしもひとつではない。デコレーションの目的や意図が明確な場合は、装飾意図が功を奏し、「感動」や「幸福感」「癒し」など、人によい影響を与えられるが、逆に装飾がマナーや秩序に違反していたり、場所や目的にそぐわない場合には、不愉快な気分を生じさせることとなる場合もある。しかし、根本的にデコレーションする「動機」はどんな場合であっても、必ず「人を楽しませ、豊かな心にすることを目的に行うもの」でなくてはならない。心理的な影響の受け方は人それぞれの価値観や好みにも左右されるので、すべての人がその目的に共感するとは限らない。が、作る側はどんな場合においても、よい影響を与えることを想定して物選びから装飾を行わなければならないのである。そのために必要な要素のいくつかを例に挙げるが、特定の人に対して配慮のないものは決して行ってはならず、与える豊かさは、いつでも「周囲への気配り」と「時間と場所にあったマナー」のうえに成り立つものでなくてはならないのである。日頃からこのような意識をもつことは、これから学ぶインテリアデコレーションすべてに共通する基礎知識の中でもっとも大切な要素でもある。代表的のものとしては「T.P.O.P.」「一般常識」「マナー」「社会的時勢」の4つが挙げられる。T.P.O.P.の意味とはT.P.O.とは、TIME(いつ)・PLACE(どこで)・OCATION(どのような目的、方法で)を表す言葉として一般的に使用されているが、もとはファッ?─3インテリアデコレーションにおけるT.P.O.P.

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